M-1グランプリ2022 で印象に残ったコンビ

M-1グランプリ2022の決勝からだいぶ経ったけど、大会の感想を書こうと思う。とはいえ10組はさすがに大変なので、特に印象に残った2組について書くことにする。

カベポスター

今年だけで第11回ytv漫才新人賞と第43回ABCお笑いグランプリ、関西のお笑い賞レースで2冠を果たした実力派コンビ。さらに今年は第52回NHK上方漫才コンテストの決勝にも出場しており、賞レースでネタを消費しまくってるなかでの決勝進出。すごすぎる。

今回の決勝10組の中で自分がいちばん応援していたのがカベポスター。こういう大会はトップバッターがどうしても不利になりがちだから、お願いだからトップ出番だけは引いてくれるなと祈っていた。しかし笑神籤係の那須川天心選手が見事一発目で彼らのくじを引き、そんな願いも虚しく散ることに。正直終わったと思った。

ネタ前の紹介VTRで発表されたキャッチコピーが「草食系ロジカル」だったのにはかなり興奮した。元々ABCお笑いグランプリでのカベポスターのキャッチコピーが「草食系ロジカル漫才」(ABCは漫才コントピン芸ごちゃまぜの大会なので、後ろに“漫才”が付いていた)。彼らの芸風を端的に示したいいフレーズだから、M-1でも採用されてうれしい。

披露したのは大声大会。今年のABCの最終決戦でもやっていたガチガチの勝負ネタ。現時点でのカベポスターのベストネタだと思っていただけに、トップバッターじゃなかったら2本目に温存してほしかったのが本音。つくづくこの出順が悔やまれる。

最後が「ん」で終わらないように叫ぶ言葉をしりとりにして、大会側がテコ入れしたと思ったら、今度は大声が出しづらいウ段で終わる言葉で攻めていく。参加したてのころは純粋にお題に沿ったワードを叫んでいた永見少年が、「ユリア」のユに繋げるためにあえて「葛湯」をチョイスするところに、人としての成長も窺えてとてもよい。そこからプロポーズに繋がる流れは何度観ても惚れ惚れしてしまう。

かなりウケていたし、これならわりと高得点狙えるんじゃないかと思っていた矢先の山田邦子さんの84点でまじで面食らった。インフレ気味の新生M-1だとなかなかお目にかかれない点数。でも今年のR-1のバカリズムさんのようにそもそも基準点が低いだけだったら全然受け入れられるぞ……と自分を納得させていたら、次の真空ジェシカが95点だったからさすがに「はあ?」が出た。

みんながみんなおんなじ笑いの感性だったらそもそも審査員を7人揃える必要もないわけだから、彼らを評価しない人だっていてもいい。だから、カベポスターに低得点を付けられたことを怒ってるというよりは、真空ジェシカもめちゃくちゃ面白かったからこそ、その2組に11点もの差がある理由をちゃんと説明できるの?と思ってしまっただけ。

山田さんが仮に100点付けてたとしてもカベポは最終決戦行けなかったし、いまさら何を言おうがもう634点という合計得点も8位という最終順位も変わることはないからこれ以上はやめておく。ただ、本来ならこんな位置にいていいコンビでもネタでもないよとだけは言っておく。

結果こそ振るわなかったけれど、これからファイナリスト特需でいろんな番組に呼ばれると思うと楽しみでしかない。永見さんはさまぁ~ずの影響で芸人を始めた方なので、ぜひ2組の共演が観たい。永見さんは三重大学、浜田さんは大阪市立大学で国公立大卒のコンビだから、Qさま!!に呼ばれるんじゃないかと期待してる。

ウエストランド

M-1グランプリ2020ファイナリストでそのときは決勝9位。2年越しの返り咲き。

あるなしクイズ、初めて観たとき井口さんいいフォーマット見つけたなーってニヤニヤしちゃった。ミルクボーイの漫才みたいにお題さえあれば無限に作れるやつじゃんこれ。駒場さんのオカンの好きなものと同じように正解がどうでもいいって部分もなんか被る(パクリって言いたいわけじゃない)。そりゃあこのネタできた時点で決勝行けると踏んで優勝コメント事前にも考えるわ。いいネタ。

1本目の「ああー、佐久間さーん!」で声出して笑ったと同時に、ゴッドタンでおなじみのテレビプロデューサーの佐久間宣行さんのことだとちゃんと伝わってるのかなと不安になった。2本目の「単独ライブの最後の20分、長尺コントやめてくれー!」とか「瓦礫の前でパジャマ、やめてくれー!」とか、具体的なコンビ名は思い付かないにしろ「わかるー」となってしまうのも、自分がお笑い好きだからな気がして。

あと、「ネタの分析とかしてくるうぜえお笑いファンとかいるかー!」は今の自分のことすぎてなんにも言えない……笑 いやこれ分析じゃないし感想だし、プロの芸人にお笑いが好きなだけのド素人がネタのアドバイスするなんて痛々しいにも程があることはわかってる。こうやって自分のブログで好き勝手書くことくらいは許してほしい。

10組目でギリギリ3位に滑り込んで最終決戦トップバッターでネタ披露って、2019のぺこぱと同じだったってことにあとから気付いた。でもウエランは休憩挟んだ実質8分ネタって言われてたのに、ぺこぱはそんなこと言われてた覚えないな。やっぱり両ネタあるなしクイズで続きの要素があったからかな。

2本目のネタもすごかったな。あんだけマルコポロリにお世話になっといてカンテレ主催のR-1よくdisれるわ。自分も参戦してた時期あったのに。しかもそこから派生して今現在出演している番組であるM-1にも牙を向ける。ほんとめちゃくちゃだよ! スタッフの人達このネタやること把握してたのかな。多分まじで知らなかったんだろうな。

「アナザーストーリーがうざい! 泣きながらお母さんに電話するな!」はマヂカルラブリーの野田さんがチラつくなーと思ったら、大反省会で野田さんが「俺のことだろ!」とちゃんと自覚してて笑った。先日放送されたM-1アナザーストーリーで井口さん自身もお母さんに電話してたけど、淡々と会話しててまじで一ミリも涙こぼしてなかった。すごいなこの人。

ロングコートダディもさや香もウケ量でいったら同じくらいだったから、どのコンビが優勝してもおかしくない。自分が3組の中で選ぶならウエストランドだけど、2020の最終決戦のように票がバラけるだろうと予想していた。しかし蓋を開けたら、ウエストランド6票、さや香1票。本当に僅差の中で選ばれた結果なんだろうけど、この票差には正直驚きを隠せなかった。

優勝が決まった瞬間河本さんが流した涙が本当に綺麗で笑ってしまった。涙ってあんなにまっすぐ流れるもんなんだ。いや泣くのそっち?とは若干思いつつも、彼がリフォームのアルバイトで家族を養っているのを知っていたので、純粋によかったねえという気持ちが勝つ。まあウエストランドはギャラ折半だからバイトしてるぶん河本さんのほうが収入多いんだけどな。

今回は特に誰が優勝するかわからないファイナリストではあったけれど、まさかウエストランドが優勝する世界線が存在するとは思ってなかった。井口さん、河本さん、遅ればせながらおめでとうございます!!

そしてなにより、新年一発目のマルコポロリが本当に楽しみ。

しかもカベポスターとキュウまで呼んでくれるとかまじで神か??? シークレットゲストって誰なんだろう。心して待つ。

編集
ホーム